何かを受信した単語から。
黒い蝋燭を持った人間が声をかけてきた。
「さあさお立ちあいお立ちあい、おや、そこの殿方にそちらのお嬢さん。何をそんなにつっ立っておりますか、ささ、中にお入りくださいな。椅子はありません、全て立ち見ですよ。
今宵お目にかけますのは世にも奇妙で不思議な話。愛に狂った男の話、歌う人形、心に住まう天使と悪魔、そのほかにもまだまだ沢山出しものはご用意してありますよ、お代は見てからで結構、さあ、早くお入りなさいな。間もなく始まりますよ。」
言われるがままに小さな小屋の中に入る。
――きりきりきり、がしゃん。
間もなく客席の照明が落ち、舞台が明るく照らされる。
舞台の上で長いコートを着てシルクハットを被った男性が挨拶する。
「ようこそ、劇団渦音座へ。
初めての方は初めまして、そうでない方はこんにちは。団長の渦音です。
そんなに肩肘張らずに、ゆるりと楽しんでいったらいいのではないですかね。多分。」
( ´-`)。o 0 (わしは女だけどね…)
( ´-`)。o 0 (暗い森のサーカスの口上のような雰囲気なのに流れている曲はハーコーというおかしな劇場です。)