http://h.hatena.ne.jp/fm7743/9234279887259521319
機械の少女が、俺の胸に集音マイクを当てて言った。
「マスター、マスターの体の中から、音がします。規則正しい音です。」
「ああ、これが鼓動だ。心臓が脈打つ音。これが止まると人間は死んでしまう。」
機械の少女は、今度は自分の胸に集音マイクを当てて言った。
「マスター、私(わたくし)の体からは鼓動が聞こえません。」
「当たり前だ、お前は機械なんだから。」
「マスター、私に心臓はないのですか。」
「ない。お前は機械だからな。」
「マスター、鼓動は生きている人間だけのものですか。」
「人間だけじゃないな、犬も、猫も、生きている動物なら全て心臓があるから…」
「マスター、それでも私は生きています。」
「ん、そうだな。お前は生きている。機械だがな。」
彼女の体を抱きしめると、鉄の冷たさがしたが、しばらくすると俺の体温で少し温かくなった。
「マスター、私の表面温度が上昇しました。およそ摂氏35度です。」
「…これが俺の、いや人間の温度だからな。よく覚えておけ。」
・まあありがち。
・たまにはエログロ以外も書きますよ。
・最初はやっぱり吸血鬼ネタ(口調がその名残)でしたが人間のほうが汎用性が高そうだったので。
・賢いけど人間味に欠けている機械っていいですよね。