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べんりなショートカット:青年と少女、伝道師とかみさま(ゲートウェイ)
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夢先案内人と破産管財人

【夢先案内人と破産管財人
私は今、不思議な世界にいる。
"夢先案内人"と名乗る黒い人影に、道案内をされている。
それが言うには、ここは夢らしい。そう言われてみると、私は随分長い間眠っている気がする。遠くから、規則正しい電子音が聞こえてくる。
博物館のアナウンスのような、機械的な女性の声をするその人影に、妙な景色や物体を沢山見させられ、解説をされた。
そこに現れたのは天秤を持った黒い影。"夢先案内人"によく似た姿だ。
「おや、破産管財人があなたの夢に現れました。」
ハサンカンザイニン?何の事だ?
混乱している間に、天秤を持った人影が口を開く。やはり女性の声で、
「相変わらずの説明口調ね。お久しぶり、夢先案内人。」
そう告げた。
「随分会っていないですね。あなたが眠っている人間のもとに現れるのは珍しいですからね。
…ええ、彼女は破産管財人。財産を分配・管理する者。」
"破産管財人"は私のほうを向き、一言。
「私は破産管財人。貴方の人生は破産したの。これから、貴方の財産―魂、記憶、経験―は私の管理下に入るわ。」
わけがわからない。
「ぽかんとしています。」
「当たり前だわ。人生の破産はすなわち死。貴方はもう死んでるのよ。」
そんなことを突然言われても。
破産管財人さん、仕事が終わったら、紅茶をお出ししましょうか。あなたの穏やかでゆとりのある生活のために。」
「しかし、夢先案内人。あなたは、夢が覚めると消えてしまうのではなくて?」
「この人間は死んだのですよね?では、覚める心配はありません。」
ふたつの人影が会話を交わす。
やがて"夢先案内人"が一歩引き、"破産管財人"が私の元へ踏み出す。
そして天秤の持ち手を私の眉間に当て、
「あなたの人生は破産しました。これより私、破産管財人の管理下となります。」


「お疲れ様です、破産管財人。約束どおり、紅茶をどうぞ。」
「悪趣味な内装ね。」
「ここは夢ですので。」
「模様替えはしないの。」
「しませんよ、夢には干渉できませんから。」