何を思ったか「コウお兄さんがプリンさん*1を食べる」ネタが沸いた。
「なぁ、お前ってやっぱ甘いのか?」
「甘くて、ちょっぴり苦いです。プリン、ですから。」
男は頬杖をついてテーブルの上に座る、小さな―身長が1メートル程度という意味で―少女の姿をした「プリン」の話を聞いていた。
甘いのか、と口にしてからプリンにも血液は流れているのかと疑問に思ったが、人間のような見た目なのだから多分流れてはいるのだろうと勝手に自己解決した。
「…じゃ、味見してみっかな…」
「はい。」
テーブルに座る少女に顔を近付けて、まず一口。
肌に噛みついた時の感触がえらく柔らかく、確かにプリンを食べる感触がした。
傷口から滲み出る血液は少しくすんだ、カラメルソースの色で味だった。なるほど、苦くて甘い。この苦みが甘さを引き立てる。
少女の身体に負担をかけないように、少しずつ貪る。
結果的にいつもよりも喰べる量は少ないほうだったが、人間の女とは違った不思議な味もまた美味しいと思っていた。
「あの、全部食べないんですか。」
「ああ、また食べてみたいって味だったしな…この次まで取っておく」
「早く食べないと、腐ってしまいます。プリンですから。」
【おい森】ジグソーパズルのふく
*1:ゴースト「プリン」