そういうロマン。
窓が一つもない、薄暗い部屋。背中から黒い大きな蝙蝠の羽根を生やした男が、足枷をつけられて床に繋がれている。男は猫背気味に座りこみ、うつらうつらとしている。
扉が開き、薄暗い部屋に一筋の明かりが差す。
「黒之(くろの)、ごはんだよ。」
ボウルを持った女性が、男に近付く。
黒之と呼ばれた男は何も言わずに差し出されたボウルに口をつけ、中の赤い液体を全て飲み干す。
「よしよし、いい子だね。」
女性は頭をぽふぽふと撫でる。黒之は眠そうに目を細める。
クロノというのはズバット→ゴルバット→クロバットにつけていたニックネームなのですが、適当に使ってみた。
後のコウである。